公開: 2019年8月13日
更新: 2019年8月xx日
自然界から採取できるウラン鉱石には、多くの不純物が含まれています。その不純物を取り除いた後に、ウランが残ります。このウランには、核分裂を起すウラン235と、核分裂を起さないウラン238の両方が含まれています。この2つの元素の違いは、原子核を作っている中性子の数が違う点です。ウラン238は、非常に安定している物質なので、中性子を当てても、核分裂は起こりません。天然のウランに含まれるウラン238は、全体の99.3パーセントと言われています。核分裂を起こすウラン235は、わずか0.3パーセント程度です。このため、核分裂を起こすためには、ウラン235を集めて取り出すための「濃縮」が必要になります。ドイツの計画では、この濃縮をせずに天然ウランをそのまま利用して核分裂を連鎖的に起こす方法が研究されていました。